エコアクション通信

9月発行号 「竹炭パウダーのバウムクーヘン」

今、食べられる「竹炭」に注目が集まっている。陸の豊かさを守り、新たな経済成長も生み出す可能性を秘めた製品です。

【放置竹林から“竹炭パウダー”を作成】
真っ黒なバウムクーヘンに、チーズケーキ、レモンソーダも。この中に使われているのが竹炭。この竹炭を10ミクロンまで細かく粉砕した、食用の竹炭パウダーを使っている。無味無臭で細か過ぎるので、口に入れても全く違和感がない。このパウダーの原料である竹炭を作っているのは、大山町にある建設会社「松本建設」。

竹炭事業を担当するのは、松本建設の手嶋誠さん。食用としても使えるよう研究を重ね、今では年間約30トンの竹炭を生産。そのうち約7割が県外の業者を経て、竹炭パウダーになり全国へ出荷されている。竹は大山町の放置竹林で伐採している。放置された竹林は、里山生態系の破壊や根が浅いことによる土砂災害の原因になるとして、全国で問題になっているのだ。これを受け鳥取県は、2008年から伐採経費の8割を負担する政策をスタート。松本建設もこの補助を受け、2015年に竹炭事業に参入した。

【「地元の食材を使いたい」洋菓子店が竹炭でスイーツ作り】

こうした取り組みは、SDGsの「(15) 陸の豊かさを守る」や「(8) 働きがいも経済成長も」に通じている。デトックス効果も期待でき、吸湿性は木炭の5倍という竹炭。食用パウダー以外にも、ベッドの材料や土壌改良などにも活用されているが、まだまだ事業として一本立ちには至っていない。
手嶋さんは竹炭パウダーの販路拡大を目指して、このパウダーを年間約100kg買い戻し、地元の飲食店などの業者5社への販売を始めた。

地元、大山町の洋菓子店では…
バウム&クーヘン・新田孝一さん:
良い炭で作られてるというのが一番、なるべく地元の食材を使いたいという気持ちがあったのでこの日は、竹炭の入ったバウムクーヘンやレモンソーダの試作品が出来上がった。9月から販売予定で、個性的な見た目からハロウィーンシーズンに期待しているという。

「大山竹炭」を全国ブランドへ。厄介者の活用で、持続可能な生態系と経済の循環を目指している。

8月発行号 「脱廃プラ 紙でできたカミソリ」

この春、発売されて即完売したカミソリがあります。脱プラを目指したこの商品。なんと紙でできています。

貝印(株)広報担当・古井涼子さん:「紙でカミソリを作るというのが初めての取り組みというなかで、たくさんの製紙メーカーからサンプルを取り寄せて、何度もテストを繰り返して、今の紙にたどり着いております」

刃物メーカー「貝印」は開発に2年の歳月をかけた「紙カミソリ」をこの春、発売しました。刃は金属なのですが、その名の通りハンドル部分が全部紙でできています。水にぬれることが必至のカミソリ。紙で大丈夫なのでしょうか。

10分ほど水につけてみましたが、水をはじいています。紙に水が染み込んでいる様子もありません。強度もしっかりしています。旅行や出張でのニーズを考えて、持ち運びしやすい組み立て式です。

そこには、カミソリを作り続けるメーカーならではのこだわりがありました。はがした保護シールを柄に巻くことによって強度を高めるアイデアが採用されています。

貝印(株)広報担当・古井涼子さん:「シールの部分も開発者が非常にこだわっていたところで、シールを最後に巻き付ける首の部分は力がかかって強度が必要な部分なので、そこに強度を持たせることと、保護シールを無駄にしないことを両立するアイデアということで、そういったデザインになっています」

貝印によりますと、4月にオンライン限定で発売した初回分は3日で完売しました。「脱プラ」に共感したという反響が多かったということです。

現在、量産に向けた準備が進められています。再販されたら、皆さんも旅行用に試してみてはいかがでしょうか。

7月発行号 「ゴミ削減としての、食べられる〇〇」

最近話題になっているユニークなゴミ削減の取り組みを紹介。

まずは、食べられるストロー。もともと中が空洞になったクッキーをストローに応用できないかと、菓子メーカーのブルボンが開発した商品が「コロネクッキー」だ。食用の油でコーティングすることで、25分ほど、ひたひたにならずに飲み続けられるという。

また、食べられる弁当用のカップもある。木村アルミ箔株式会社の商品「カラフル大豆のうつわ」は、大豆の粉末を成形して器にしたもの。カップにおかずを入れ、一緒に食べることでゴミを減らすことができる。他にも、海苔を材料にして作られたカップもあるという。

加えて今では、食べられる箸もある。丸繁製菓の「食べられるお箸(畳味)」は、畳味というユニークな商品。熊本のい草とクッキー生地を合わせて作られているという。

こうしたアイデア商品が開発される中、消費者と共に環境問題に取り組むための商品も出てきた。先日発売されたあるガムは、ケースに工夫があるという。これは、小売業大手のイオンが、菓子メーカーのロッテなどと協業して発売している循環型リユース容器のひとつ。
従来のケースが使い捨てなのに対し、新しく発売されたものは、ステンレス製。繰り返し使えるように開発されたケースで、デザインにもこだわったそうだ。購入後、スーパーマーケットに設置された回収ボックスに返すことで、消費者に容器分が返金されるシステムとのこと。

ゴミ問題をテクノロジーで解決することを目指す株式会社ピリカの代表取締役、小嶌不二夫さんはこう話す。「もしかしたら多少の不便にはつながっているかもしれないけれど、みんながそれを受け入れられる時代になっていると思います。こういった環境問題に対して、無視してしまう企業と、逆にチャンスと捉えて解決策を作る企業に分かれてきていますが、今後生き残るのは後者ではないでしょうか」

消費者としても、こうした企業の取り組みと共に、身近なところから日々の行動を変えていくことができそうだ。

6月発行号 「復興支援に貢献する商品」

最今年で発売35周年を迎える「午後の紅茶」から、ブランド初となる国内の復興応援につながる商品「午後の紅茶 for HAPPINESS 熊本県産いちごティー」が6月1日から発売される。「午後の紅茶」ブランドとしては初の国内復興応援型商品で、売上の一部が寄付になる。応援先は2016年の大地震で被害にあった熊本県。1本につき3.9円(感謝=サンキュー)を同県の復興応援のために活用し、地域社会・コミュニティの支援に取り組む。

これはブランド発売35周年のテーマ「幸せの紅茶、35周年の午後の紅茶~あなたに、届け!ありがとう。~」の活動のひとつとして、日々の心ときめく幸せに寄り添う活動とともに、商品と連動した復興応援を通じて顧客への感謝の念を体現した取り組みでもある。

支援金は、「復興応援 キリン絆プロジェクト」の方針に則り、

①「被災地復興支援」として熊本県庁に寄付金を贈呈する

②「食産業支援」として熊本の農産物のブランディングに活用する(JA熊本経済連へ寄付)

③「地域活性化」として、南阿蘇鉄道の復旧、ブランディング支援に活用する(南阿蘇村に寄付)

④「子どもの笑顔づくり支援」として、南阿蘇村での子どもたちの交流、教育環境の整備に活用する(同村へ寄付)

――としている。

今回、新商品の原料に使われる熊本県産のいちご「ゆうべに」という品種は、「復興応援 キリン絆プロジェクト」でブランディングを支援しているものだ。「ゆうべに」は粒も大きく、豊かな香りと上品な甘さと程よい酸味のバランスが特長だ。また、渋みが少なくすっきりと優しい飲み口の熊本県産紅茶葉も一部(5%)使用する。

キリンの加藤さんは「『いつでもお客様に幸せなときめきを届ける』のが、『午後の紅茶』のブランド・パーパス(ブランドの社会的存在意義)です。そのブランディングとして、美味しさはもちろんですが、国産素材を使った特別感や安心感、自分の買った商品が社会貢献につながる実感といった『幸せなときめき』を、お客様に提供できればと考えています」と語る。

私たちの身近な所にも、被災地の復興支援につながる商品は多くあります。もし購入しようとする者があり、同じものでこういった取り組みをしているものがあれば、ぜひともそちらを選んでいただきたいものです。

ちなみに、NTK通信の作成者は、この商品を飲んでみましたが、甘酸っぱくて、スッキリと飲みやすかったです。みなさんもぜひお試しください。

5月発行号 「個人用防護具で傷付けられる野生生物」

 ”ポイ捨てされた、使い切りの医療用手袋の親指に、パーチと呼ばれる小さな魚が入り込み命を落としていた。”

これは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックをきっかけに使われ始めた手袋、マスクなどの個人用保護具(PPE: Personal Protective Equipment)によって、野生生物が傷ついたり死んだりしているというニュース。PPEの多くがプラスチックで作られていることもあり、屋外にポイ捨てされれば野生生物に大きな影響を与える可能性があるのです。「私たちは今日の健康危機に対処するため、明日の環境危機をつくり出しています」と指摘する声もある。

パンデミックはまだ続いており、PPEの需要が衰える気配はない。マスクが行き届くよう、各国は値下げなどの努力を行っています。ただPPEが浸透し、価格が下がれば、それだけゴミも増加することになります。実際に、清掃ボランティアがたった1日で100枚以上の屋外に捨てられたマスクを見つけることもあったとのこと。

マスクであれ、使い捨ての手袋であれ、プラスチックは環境中で分解されない。その代わり、マイクロプラスチックと呼ばれる小さな破片になり、動物の肺や胃に取り込まれれば、感染症や閉塞(へいそく)を引き起こす恐れがある。動物の体がプラスチックを代謝しようとした場合、浸出した化学物質に傷つけられ、死に至ることさえあるのです。

使い捨てのマスクから、再度洗って使用できる再利用可能なマスクに変えるだけで、PPEごみの量に大きな違いをもたらすことが期待されます。可能であればマスクを再生可能なものに変えてみてはどうでしょうか。

そして、使い捨てのマスクなどは、野外にポイ捨てをするのではなく、きちんとごみ箱に捨ててください。一般的に、マスクをはじめとするPPEはリサイクル不可能な製品なのですから。